FEOSとは?
設立趣旨
21世紀の主要な問題は、地球環境問題といわれています。これは、21世紀末には80億になろうとしている人類が、いかにして、地球と共存することが可能かしていけるかという大問題です。このためには、われわれ人間社会の価値観や仕組みを変えてゆくと同時に、地球そのものの様子をよく知る必要があります。 そこで、地球環境問題は全地球に及ぶ問題ですから、グローバルな観測が必要となります。
地球環境問題に関連してさまざまな観測網が提案されています。しかしながら、グローバルな観測に関していえば、人工衛星による宇宙からの観測の右に出るものは存在しません。南極のオゾンホールも、アマゾンの熱帯雨林の伐採も人工衛星による画像を通して明らかになってきましたし、世間の支持を得てきました。
このような宇宙からの地球観測に関しては、日本も重要な貢献を果たしてきました。1996年に打ち上げられた「みどり」は ,当時の地球観測衛星としては画期的なデータを地上に送ってきましたし、1997年に日米共同で打ち上げられたTRMM衛星は、初めて、熱帯地域での降水量を、より正しく見積もるなどの成果を挙げてきました。
しかしながら、現在、日本の宇宙からの地球観測は危機に瀕しています。宇宙3機関統合の名の下に「地球観測は、もっと広い利用の元に展開されるべき」といいながら、その具体的な財政的な根拠は示されていません。もちろん、現在の宇宙開発事業団による地球観測にも多くの問題があるのは事実です。だからといって、地球観測を「利用機関の参加をもって行う」というような一言の美辞麗句で放置するのではなく、「それでは、具体的に利用機関が参加してくるのはどうすればよいか」、あるいは、「今まで蓄積された地球観測に関する経験と知見を新しい宇宙機関の中で如何に発展させてゆくか」などの 、新しい 、展望と具体的な道筋を示すべきことこそ必要な事と考えます。
この時代の変わり目に、このような新しいビジョンと具体的な展望を指し示すことができるのは、心意気と未来に対する責任を感じている、現場で日々問題と戦っている人だと思います。このような草の根の人の思いを施策に反映させることこそが重要と考えます。
この「宇宙からの地球観測を考える会」は、このような現場で呻吟している研究者・技術者の総意をくみ上げ、新しく、広く社会に役立ち、21世紀にふさわしい宇宙からの地球観測に関する具体的な提言や施策の検討を行うことを目的としています。現実のしがらみにとらわれず、真に、科学的に意味のある、現実性のあるコンセプトを提案することを目的としています。 そのためにも、特定非営利の組織として出発することを決意しました。そのため、この組織の活動は多くの方の財政的支援を無くしては不可能です。ぜひとも、多くの方の賛同、ご支援をお願いいたします。
しかし活動を実施する上で、様々な契約を行う上で支障が出ることが予想されるため、法人化は急務です。ただし、この会は役員がボランティアで参加しており 、営利を目的とする団体ではないため、いわゆる会社法人は似つかわしくありません。また、広く社会に役立つ宇宙からの地球観測に関する具体的な提言や施策の検討を行うことを目的とする観点から、特定非営利活動法人の設立が望ましいと考えます。